平均と期待値の違い

平均と期待値って何

場合によって期待値は平均と同じ意味で使われる場合もありますが,混同しがちなので違いをはっきり理解しましょう.

平均値 : (値の和)/(試行回数)
期待値 : (確率)×(値)の和

期待値の定義はE(X)=\int_{-\infty}^{\infty} xp(x) (連続型),E(X)=\sum_{i=1}^{N} x_i p(x_i) (離散型)です.

さいころの例で違いを理解する

<例>偏りのあるさいころを振って出た目の点数を得る

各目が出る確率{1:\frac{1}{12},  2:\frac{1}{3},  3:\frac{1}{6},  4:\frac{1}{6},  5:\frac{1}{12},  6:\frac{1}{6}}となる偏りあるさいころを振る.


出る目の期待値は離散型の定義に当てはめると
1\times \frac{1}{12} + 2\times\frac{1}{3} + 3\times \frac{1}{6} + 4\times \frac{1}{6} + 5\times \frac{1}{12} + 6\times\frac{1}{6} = \frac{10}{3}
よって期待値は\frac{10}{3}となる.


しかし,平均値は\frac{10}{3}になるとは限らない.
例えば,1回の試行で6が出たとすると,平均値は6であるし,
3回の試行で2 , 3 ,6 と出たとすると,平均値は\frac{2+3+6}{3} = \frac{11}{3}となる.
平均値は実際の試行によって定まる数である.



一般に試行回数を増やせば増やすほど平均値は期待値に近づく(大数の法則)